「置かれた場所で咲きなさい」
そんな言葉が流行ったことがあります。
渡辺和子さんという方が同名の本を出版し、
それがブームの火付け役となったようです。
私はその本を読んだことがないのですが、
タイトルだけでなんとなく中身が想像できますよね。
要は、
「今いる環境でベストを尽くせ」
ということだと思うんです。
今の現状に不満があるとしても、
環境のせいにしてはいけない。
まず自分に悪いところがなかったかを反省し、
その場所で全力を尽くしなさい。
そういう意味だと思います。
でも、これって、
大事な前提条件が抜けていますよね。
その前提条件とは、
置かれた場所、つまり今、自分のいる環境が、
自分に害のない環境であること、
です。
もし、自分にとって、
その環境にいること自体が
マイナスなのであれば、
そこでベストなんて尽くそうとせずに、
すぐさま、
環境を変えた方がいいと思うんです。
例えば、俗にいう、
ブラック企業に勤めている場合。
はい、私の元職場です。笑
そこは、残業が当たり前の職場でした。
朝8時30分に始まり、
夜10時頃になってポツポツと人が帰り始める。
働き方改革という言葉が流行った後は
定時退社になった、、、
ということは全然なくて、
それでも帰るのは
いつも夜8時過ぎでしたね。。。
もちろん、
休日出勤も当然のようにありました。
でも、それだけ働いても仕事が回らない。
スケジュールに遅れが生じれば、
周りにも迷惑がかかる。
だから、なんとかしなければ、
というプレッシャー、重圧。
その結果、身体の疲労だけではなく、
心も休まる暇がない。
この状況は、
忙しい時期だけ、ではなく、
慢性的に、です。
平日も休日も、追いかけられるように休まず働いていると、
「残業代とか休日手当はもういらないから、とにかく休みをくれ!」
という気持ちになるんですよね。
だんだんと身体は重く、だるくなってくるし、
気持ちもどんどん荒んで、
グチや不満が口をついて出てくるようになります。
でですね。
こうした環境で、
自分のベストを尽くそうと
努力する意味ってないですよね?
例えば、この状況でがむしゃらになって、
120%の力で働くとしましょう。
で、頑張って仕事を早く片づけたとしましょう。
すると、何が起こるか。
次の仕事が振ってきます。
それだけです。
このサイクルを繰り返して、
常に120%の力を出し続けたら、、、
自分の限界を超えた状態で
走り続けることは、
身体にも心にも深刻なダメージを与えます。
最後には、自分が壊れてしまいますよね。
実際、周りには心を病んでしまう人もいました。
仮に私が、
こうしたブラックな環境下で
がんばることに意味を見出せるとしたら、
それは会社の中で
「出世したい!」などの欲があった場合でしょう。
でも私は、
会社内で出世することや地位をあげること、
にまったく興味をもてなかった。
こうなるともう、
そうした職場で頑張る意味も、
そこにいる意味も
見出せないですよね。
さて。
となると、もう環境を変えるしかないし、
むしろ、それが最もよい選択だと思うんです。
だって、私の「置かれた場所」が、
自分が生きていくのに
あまりにも悪い環境なんですから。
そもそも、そんな職場で、
いろいろな重圧やプレッシャーに
押しつぶされそうになりながら、
自分にムチ打って働いたところで、
心身ともに疲弊しきった自分が、
どれだけのパフォーマンスを発揮できるでしょうか。
自分本来の、最高のパフォーマンスを発揮するためには、、、
私は、身体も心も余裕のある状態に保つことが
絶対に必要だと思うんです。
スポーツの世界もそうですよね。
身体がガチガチに固まった状態で、
いくら上手くプレーしよう、演技しようと思っても、
良い結果にはつながらない。
適度な緊張感をもちつつも、
肩の力が抜けてリラックスした状態。
この状態が、もっとも身体が自由に動いて、
高いパフォーマンスにつながる。
スポーツでいう、この「肩の力が抜けてリラックスした状態」が、
仕事においては、心身ともに余裕のある状態だと思うんです。
だから、自分のために、
職場を変える。
環境を変える。
例えば、自分の限界を追い込む必要のない場所へ。
80%くらいの力で仕事を回していける場所へ。
こうした環境が、自分を潰さず、かつ
最大のパフォーマンスを発揮するうえで
とても大切だと思うし、
今いる場所から、そうした場所へ移ることに
躊躇する必要は何もないと思うんです。
とはいえ。
「そうはいっても、会社を簡単にはやめられない。」
これが一番、多い意見ですよね。
確かに、すぐに今の会社をやめるというのは、
現実的にハードルが高いと思うんです。
ただし、仮にあなたがブラックと思われる職場にいるとしたら、
しゃかりきになって努力するのだけは注意してください。
仮にそれを周りから期待されているとしても、
それを続けていくと、
やがて自分が潰れてしまいます。
特に一度、心を病んでしまうと、
回復するのにとても時間がかかります。
私の身の回りでも、
苦労されている方がたくさんいらっしゃいました。
残業ありき、休日出勤ありき。
社員を疲弊させるような、
そんな職場を作った責任は、
経営層やあなたの上司にあります。
そうした人の責任を、
あなたがかぶる必要はないんです。
だから、どれだけ仕事を割り当てられたとしても、
80%の力しか出さない。
そう決めてしまう方が、
自分を守る、という点では
よいのかもしれません。
あなたを守れるのは、あなただけ。
何よりも自分の健康を
最優先にしてくださいね。
自分の身体を大切にし、
力を少しセーブした結果として、
心に余裕が生まれたなら、
そんな会社から脱出する方法を考えてみる。
今は、インターネットやツイッターなど、
情報を収集するツールが揃っています。
そういったツールを活用しながら
探してください。
自分の力を発揮できて、かつ、
自分の望む未来を手に入れられそうな場所を。
そうした場所であれば、
仕事に対して高いモチベーションを保てるし、
そのことが充実した人生を送ることにもつながるはずです。
今いる場所がすべてではない。
自分が輝ける場所を自ら選びとり、そこで生きる。
私もあなたも、これでいきましょうね。
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