自分を最もよく理解してくれているのは
親である。
愛着障害をもつ方ならば、
なんとなく、そう信じている人も
多いのではないでしょうか。
私もそう考えていたんです。
なぜなら、、、
生まれてから、
大学生になって実家を離れるまで、
20年近くもの長い時間を一緒に過ごしてる。
私が経験した、
嬉しかったことや辛かったことも
知ってくれている。
人生の悩みについて、
話を聞いてくれたこともある。
それに。
愛着障害ゆえに
友人関係を作るのが苦手な人にとって、
親って、自分と近い唯一の存在なんですよね。
だからこそ私は、この世界で、
自分を一番よく分かってくれているのは
親だと思ってきたし、
愛着障害から生じる苦しさや辛さを含めた、
私の内面を、その親にだけは理解してもらおうと
必死でした。
親が私を理解できないなら、
私は永遠に他人に理解されることはない。
そんなのはイヤだ。
こんなふうに思い詰めていたんです。
でも。
ふと思ったんです。
仮に、親が本当に
自分のよき理解者であるなら、
なぜ私はこれほど
愛着障害に苦しんでいるんだろうか。。。
それで、
冷静になって振り返ってみたんです。
すると、
私が信じていたのとは全く異なる、
親の側面が見えてきました。
私の親は実は、、、
とても呑気で鈍感な人でした。
私が苦しんでいることや、
嬉しいと感じたことを、
聞いてくれはしても、
一緒になって
心から共感してくれることは
ありませんでした。
それに、
子供の気持ちにも
あまりにも無関心でした。
「学校は楽しかった?」
「学校で大変なことでもあった?」
私は小さい頃に、こういった言葉を
親からかけてもらった記憶がありません。
一方で、嬉しくてはしゃいでいるときに、
「調子に乗って、バカみたい。」
と冷たく言い放たれた、、
そんな記憶は鮮明に覚えているんです。
そうなんです。
私に対する親の行動を振り返ったとき、
私の心に寄り添ってくれたり、
私の気持ちを気にかけてくれたりしたことが
あまりにも少なかった。
この事実に気付いたとき、
愕然としました。
私は自分の親を
「よい親」、「よき理解者」だと、
信じてきたけれど、
そこに何の根拠もなかったんです。
今まで自分を理解してもらおうと
言葉を尽くしてきたけれど、
ここまでしても分かり合えないのは、
そもそも親が、子の感情や気持ちに
無関心なためかもしれない。。。
それで、
私は、親に自分を理解してもらおうと
するのを諦めたんです。
分かりますよ。
これって、なんだか親を心の中で
切り捨てるような感じがして、
寂しい気持ちになりますよね。
なんだか悪いことをしているような、
罪悪感もわきますよね。
私も初めはそう思ったんです。
でも。
私は、親に自分を理解してもらうのを
諦めたときから、
心がすっと楽になりました。
知らず知らずのうちに、
親だったら自分を分かってくれるはずだ、
と、期待していたんだと思います。
そんな期待がなくなったとき、
親とはかえってラクに
付き合えるようになって、
以前よりも、
むしろよい関係を
保てている気がするんです。
そうなんです。
あなたも私と同じように、
愛着障害の症状に苦しんでいるとすれば、
結局のところ、
親の愛情が条件つきのものであったり、
親から心理的なネグレクトを受けていたりすることが
多いと思うんです。
つまり、
そもそも親の側に問題がある可能性が
とても高いと思うんです。
その場合、あなたのその苦しさや辛さ、
それだけでなく、
日常生活における嬉しかったことや楽しかったこと、、
そういったことを本当の意味で理解し、
共感してくれるのは、
きっとあなたの親ではない。
それは、信頼のできる友人で
あるかもしれないし、
一番最初は、
カウンセラーや臨床心理士の方
かもしれません。
親と理解しあえないのは、
悲しいことではあるけれど、
こういった人たちの方がむしろ、
あなたの親以上に、
あなたに興味をもち、
あなたに愛情を注いでくれ、
あなたをより深く理解してくれる、
そんな可能性だって多いにあるんです。
だから、悲観しすぎないでくださいね。
あなたは、親と自分という関係性に
必要以上に縛られず、
もっと広い世界で、
自分と相性のあう人、
自分のよき理解者を求め、
そういう人たちと交流を
深めていけばいいんです。
いろいろな人との交流をとおし、
精神的に成長したあとであれば、
きっと親と分かり合える日もやってきます。
あと一つだけ注意点を。
あなたは、親に対して面と向かって、
「もう諦めた」、とか、「もう期待しない」、
とか憎しみの言葉をぶつける必要は
ありません。
それをすると、
人を傷つけたことによって、
優しいあなたは
きっと自己嫌悪に苛まれてしまいます。
あなたは、心の中で、
親に理解してもらおうとするのを
そっとやめたらいいんです。
そして、もっと別の人間関係の中に、
自分の居場所を求めていったらいいんです。
とはいえ、
私もまだまだその途上にいます。
お互いに、一緒に一歩ずつ
前に進んでいきましょうね!
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