人生を変えた一夜~マラソンランナーとして生きることになった日~

いまやコロナのせいですっかり下火ですが、
一時期、マラソンブームがありましたよね。

市民ランナーも急増して、東京マラソンも始まって。

そんななかで、
こう考えている人も多いと思うんです。

42.195kmを走るマラソンなんて、
学生時代からずっと運動の得意だった人が
やるものでしょ?

と。

でも。

実はそんなことないんです。

この記事では、
運動に強烈な苦手意識をもっていた私が、
マラソンランナーになったきっかけを
書きたいと思います。

そもそも私は学生時代をとおして、
自分が運動の得意な人間だと
思ったことがなかったんです。

小学校のとき、
地元のクラブでサッカーをしていたけれど、
全然上達せず、かついじめにもあって、
2年でやめてしまいました。

中学校ではソフトテニス部。
市大会で入賞した経験もあるけれど、
地方の小さな大会でのことです。

それに秋頃に行われる学校のマラソン大会では、
いつも学年で真ん中くらいの順位で、
特に目立つこともありませんでした。

高校に入ると、運動をほとんどしなくなり、
どんどん太っていきました。
BMIは26。軽度とはいえ肥満です。

この頃はもう、走れないし、動けない。

だから恥をさらすだけの体育の授業は
イヤでイヤでたまらず、
その前日はいつも憂鬱な気分に
なってたのを覚えています。

こんな感じで。。。

大学に入る頃には、
運動に対する苦手意識はピークに達していたんです。

もちろん、運動系の部活やサークルの新入生勧誘も
すべて断りました。

が。。。

そんな私も、大学生活がスタートして
半年以上が経った頃、
ダイエットを目的にランニングを開始します。

なぜか。

当時、
周りの友人が女の子と付き合ったりしながら
大学生活を楽しんでいるのが
羨ましくてしょうがなかったんですよね。

そして、

自分も女の子と付き合ってみたい!
人並みのキャンパスライフを楽しみたい!

という気持ちが芽生えてきたんです。

そう考えると、この太った体型は明らかに不利。
そう、まずは痩せなくちゃいけない。。。。

そんな動機で走り始めたんです。

実際に走る距離は1日のうちに2、3km程度。

それでも嬉しいことに、
走り始めると体重はだんだんと落ちて、

あわせて始めた筋トレとの相乗効果で、
自分の体はどんどん標準体型に近づいていきました。

やがて、最初の動機からははなれて、

私はランニングや筋トレを終えた後の爽快感、達成感に
快感を感じるようになっていきました。

そんなとき、、、
私は見つけたんです。

社会人ランニングサークルの
会員募集のポスターを。

そのサークルは、週末の夜に皆で一緒に走ろう、という
コンセプトのサークルでした。

当時、私は、アルバイト先と研究室を
往復する日々に退屈していたんです。

その決まりきった人間関係は
居心地のよいものではあったけれど、

それには飽き足らず、
さらに新しい人間関係や出会い、刺激がほしくなっていました。

そこで、、、
そのサークルの仲間に入れてもらうことにしたんです。

それで。。

参加初日。

とある週末の夜。

この夜が、私の人生を変える一夜になりました。

サークルの人たちへの新入りとしての挨拶がすむと、
サークルリーダーの声掛けとともに、
皆でおもむろに走り始めります。

走るペースはとてもゆっくり。

皆でわいわい喋りながら走る。

社会人サークルなので、
他のメンバーは、学生の自分よりも10~20歳くらい年上。

気を遣って、皆がいろいろと話しかけてくれる。

楽しい。。。

気が付くと、私は何の苦労もなく、
10kmという長い距離を走り切っていました。

走り終えて、胸いっぱいに広がった感情。

それは、感動、でした。

これまで最大でも3kmくらいしか
走ったことのなかった自分。

かつて運動に苦手意識をもち、
体育の授業がイヤでイヤで
しょうがなかった自分。

そんな自分が10kmなんていう、
途方もない距離を走り切れてしまった。

それもこんなにもあっさりと。。。

喜びと嬉しい気持ちで身体がホカホカするなかで、
こんな気づきも得たんです。

自分ができないと信じ込んでいることも、
それは自分の単なる思い込みであって、
実はできるのかもしれない。。。

そんな、自分の世界が広がるような感覚も
湧き上がってきました。

その日から。

私はサークルの人たちと、
いくども長い距離を走るようになり、

ついには一緒にマラソン大会に
参加するまでに。

初めての大会は散々で、
途中からは足をひきずるような状態だったけれど、
なんとか完走。

走り終えたあとは足の痛みと疲労のせいで、
「二度と走るもんか!」
と思ったけれど、

走り終えたあとの達成感
沿道からのあたたかい応援
市や町をあげてのお祭りの雰囲気

こういったものが大好きで忘れられず、
結局、次の大会にも申し込み。。。

これを繰り返し、
私はマラソンランナーになりました。

大会には今までで
累計6,7回くらい参加していて、

今でも週に1、2回のペースで
ジョギングを続けています。

走ることは、ダイエットにもいいし、体力作りにもなる。
走り終えたあとの達成感や爽快感はストレス解消にもなる。

この運動習慣がなかったら、
私はサラリーマン時代のストレスに打ち勝てなかったと思うし、

30代で会社を退職して
新しい人生を歩もうと決断できたのも、
なにより体力があったからだとも思います。

社会人ランニングサークルのメンバーと10kmを走った、
あの一夜。

そう、あの一夜が、
私をマラソンランナーにしてくれたし、
人生を力強く生きるための運動習慣を
与えてくれたんです。

そこから私の人生は確実に変わりました。

それも、とてもよい方向に。

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