ブラックな会社の売店で売上No.1の飲料水とは。

僕がエンジニアとして勤めていた会社は
俗にいうブラック企業。

今はかなり改善されたのですが、

昔は残業が常態化していて、
帰るのは夜8時~9時ころが普通。
遅いときは深夜になることも。

 

お昼ごはんを食べて以降、
何も食べないとお腹がすいてしまうから、

夕方ころに、近くの売店へ行き、
ちょっとしたお菓子やパン、飲み物を買って
それを口にする。

僕を含め、こんな人が多かったんです。

 

あるとき、その売店からこんな内容のメールが
社員に一斉送信されました。

「この売店でもっともよく売れる飲料水はなんでしょう?
当たったら、その飲料水をプレゼントします。」

要は、ちょっとした余興、催し物です。

 

平凡な日常に放り込まれた、たわいないイベント。
それでもにわかに、ざわめきたつ社員たち。

僕もその例に漏れず、、、
早速、後ろに座る先輩と協議を始めました。

あてずっぽうで狙っても、当たるわけがない。

我々のライフスタイルから、
皆の飲みがちな飲料水を推測できるのではないか。。。

 

実は、このクイズには、選択肢がついていました。

とはいえ、3択、5択、とかではなく、、、約20択。

売店で扱う飲料水のほぼすべてを選択肢にしているようなものです。

コーラ、アクエリアス、オレンジジュース、牛乳、お茶、カフェオレ、コーヒー、、、

などなど。

 

でね。

この選択肢の中に、

ブラックコーヒー(無糖)

っていうのがあったんです。

 

あなたは感じるでしょうか。この禍々しいオーラを。

 

コーヒーって、カフェインのせいで覚醒作用があるから、
朝とか昼、シャキっとしたいときに飲む人が多いと思うんです。

夜は、眠れなくなっちゃうこともあるので、
あまり飲まれない。

だから、夕方にもっとも客の入る売店で、
コーヒーが売れることはまずないはず。。。

 

・・・

 

「ハッ!」

先輩と僕が気付いたのはほぼ同時でした。

でも、、、
いや待てよ、と。

この場合、あるいは逆に、と。

 

そう、僕たちのライフスタイルといえば、

残業が多く、場合によっては深夜まで作業することも頻繁にある。

そんな人たちが、夕方に飲む飲料水って、、、

 

深夜まで仕事をしないといけない。

疲れて、うとうとと眠くなっちゃいけない。

仕事のパフォーマンスを持続しないといけない。

そんな人に必要なのは、
糖分なんぞという余分なものを排除した、
ブラックコーヒー(無糖)による、強烈な覚醒作用なんじゃないか。

皆、カフェインを多量に摂取することで、
ともすれば眠ってしまいそうな自分にムチ打ち、
深夜遅くまで仕事をしているのではないか。

 

僕は、先輩と話し合う中で、
この読みがどんどんと正解に思えてきました。

やがては確信に変わり。

「ブラックコーヒー(無糖)」、

すぐさま回答を入力して、送信ボタンをクリック。

 

回答発表のときを待つ。

 

後日、発表。

回答を記載したファイルが送られてくる。

 

ドキドキ。

 

ワクワク。

 

ファイルを開く。

 

正解は、、、

 

「ブラックコーヒー(無糖)」。

 

よし!やっぱり、そうだ!

先輩と笑い合う。読み通り!

 

・・・

 

えーと、、、

当たったのは、いい。

うん。

景品として、ブラックコーヒーももらった。

うん。

 

でも。。。

 

自分はこの会社で働き続けていていいんだろうか、
と不安に思ったのは、いうまでもないですよね。。

fin

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