ギターという不完全な楽器について

あのね。

わたし、思うんですけど。

こんなこと言うのは、よくないかもしれない。

日本中、いや、世界中から、総スカンを食らうかもしれない。

それでも言うしかない。

いや、言うべきだと思う。

 

ギターって、楽器として成立してないと思うんです。

・・・

いや、わかりますよ。

なに、とち狂ったこと言ってんだってね。

そう言いたいんですよね。

わかります、ええ。

 

なんでこんなことを思うのかっていうとね、
だいたい、読んでくださっている方のご想像のとおりなんです。

ギターをやり始めた人ならば、
誰もがぶち当たるであろう、初心者の壁。

Fコード。

左手の人さし指で、1~6弦までのすべてを押さえる。

俗にいう、バレーコード、セーハといわれるやつですね。

そうです。

わたしも例にもれず、この壁にぶちあたりまして。

砕けました。

玉砕です。

ものの見事に。

 

なんどもなんども練習するんですが、
弾けない。

あ、弾けた、と思っても、もう1回やってみようとすると弾けない。

6弦がちゃんと押さえれてないと思って、
そこに意識を向けると、
今度は、1、2弦が鳴らなくなる。

じゃあ、1、2弦をちゃんと押さえなきゃって思って弾いてみると、
今度は、6弦が鳴らなくなる。

そうこうしている間に、指が痛くなってくる。

赤く腫れてきて、
力が入らなくなって、
練習を続けられなくなる。

そして、ため息をつく。

ちくしょう。悔しい。

今日もまた弾けない。

 

でね。

わたしも倒れたままの人間じゃないですからね。

youtubeとか、
教則本とかみてね、
Fコードを弾くコツとか調べるわけですよ。

左手の人さし指で1~6弦のすべてを押さえようとするのでなく、
特定の弦(他の指で押さえない1、2、6弦)に力を集中するんだ、とかね。

人さし指と同じくらい、ネックを下から支えている親指にも力を入れるのが大事とか。

いろんなアドバイスをみて
あれこれ試すも、やっぱり難しい。できない。
ちくしょう。

 

で、よく見かけたアドバイスがね。

「とにかく練習。練習してるうちに、指の皮膚が厚く・硬くなってきて、
弦をしっかりと押さえれるようになる。」

ってやつなんです。

これ。

どう思いますか?

わたしは納得いかないんです。

言いたいことは分かるんですよ。

Fコードみたいに、1本の指で1~6弦を押さえるときって、
指先じゃなく、指の側面で押さえる。

でも、指の側面なんてふだん使うことないから、
ふにゃふにゃなんです。

初心者の場合ね。

だから、弦をネックに押し付けようと思っても、
しっかりと押し付けることができない。

弦が浮いちゃう。

で、思うように鳴らない。

しっかりと鳴らすためには、
ふにゃふにゃの指ではダメで、
まず皮膚を硬く、厚くしないとダメってことなんですよね。

挿入するときは、ちゃんと硬くしてからじゃないとダメってのと同じですよね。(違う

 

でわたしが思うのがね。

皮膚が硬くならないと弾くことができないってことは、

演奏するために、
肉体の物理的な変化を必要とするってことなんです。

そんなの楽器としてアリなの?
そもそも楽器として成立してなくない?

って思うんです。

例えば、トランペットとかホルンとか考えてみてくださいよ。

指の皮膚が厚くならないと演奏できないとかないですよね。

あのスイッチみたいのを指で押し込めばいい。

スポーツを考えてみてくださいよ。

サッカー、野球。

上達する過程で、マメはできるでしょう。
練習するほど、足も手も皮膚は厚くなっていくでしょう。

でも、蹴るとか、バットを振るといった基本的な行為は、
誰でもできる。

皮膚が厚くないとプレイできない、ってことはないわけです。

でもギターは。

ギターだけじゃなく、いろいろな弦楽器にいえるのかもしれないですけど、、、

Fコードという基本的なコードを弾くために、
皮膚が厚くなる必要がある。

なんじゃそれって。

 

そもそもね。

一番はじめにギターを作った人に聞いてみたい。

なんで、1本の指で1~6弦をぜんぶ押さえるなんて
めちゃくちゃなことを考えたんだと。

ふつう、1本の指で、1つの弦を押さえる、って考えるだろう。

人間の指は5本しかないのだから、弦の数は5本まで。

弦の数を6本にしちゃったら、演奏できなくなって楽器にならない。

なんでそう考えなかったんだと。

そこんところ、問い詰めたい。

ねえ、なんで?
なんでなの?

世の中、わからないことばっかりだよ、ほんと。

 

はい、分かります。

仰りたいことは。

黙って練習します。

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