そんなタイトルの映画がありましてね。
アメリカの映画で、コメディでね。
ぼくはもう、この作品が大好きで大好きで。
もう何度も観ているし、それでもなお、時間があくと観たくなっちゃう。
なんでかってもう、すごく元気がもらえる。
気持ちが明るくなる。楽しくなる。
ところどころにはさまれる、キューバの陽気なサウンドもとてもいい。
自分もまた音楽に合わせてダンスしたくなっちゃう。
打楽器を習ってみたくなっちゃう。
それにね、登場人物たちも、みんな人間味に溢れていて可愛らしくて。
本当に大好きなんです。
本当に。
観たことない方はぜひ。
あー、観てよかった。
そう思える映画です、きっと。
もうね、語ろうと思えば、いくらでも語れちゃうのだけどね。
息子のパーシーが健気で、お父さんのこと大好きで、可愛すぎて、
もう抱きしめたくなっちゃうとか、
元嫁のイネズがあまりにも美人、綺麗で、背も高いからワンピースが似合いすぎて辛い、とか、
スタイルいいうえにおっぱいも大きくて最高だ、とかね。
でも、ここではひとまず、主人公カール・キャスパーの映画中でのワンシーンを語りたいのです。
カールが料理長をつとめるレストランに、
料理批評のブロガーが来ることになって。
そのブロガーは、界隈ではとても影響力をもった人で、ブログには何十億という価値がつけられちゃうような人。
以前に別のレストランでカールの料理を食べたとき、それを激賞したっていう過去がある。
カールからすると、もう一度、自分の料理で驚嘆させてやろうと張り切るわけです。
ブロガーはブロガーで、また、あのときの素晴らしい料理を食べれるのでは、
と期待を膨らませている。
いざ当日。
カールは、とっておきのオリジナルメニューを出そうと下準備を開始。
が。
レストランのオーナーに頑なに反対されるんですね。
いつもどおりのメニューを出せと。
誰も、お前のオリジナルメニューなど、期待していないんだと。
カールからしたら、納得いかないですよ、もちろん。
自分が最高と思う、オリジナル性の溢れる創作料理を出したい。
それで、ブロガーをあっと驚かせたい。
でも、オーナーに押し切られる。
不本意ながら、定番メニューを出すことになる。
なんの変哲もない、オリジナル性のかけらもない料理を。
案の定、ブロガーからは酷評。
ブログには、いかに料理がクソだったかを書かれ、
その記事がツイッター(現在のX)で拡散しちゃう。
もうね、カールはへこみにへこむ。
周りには傷つかないふりをするけど、
やっぱり、とても傷ついているんです。
それに、ブロガーに対する怒りも煮えたぎってくる。
何もそこまで言うことないだろう、って、気持ちも湧いてくる。
それでね、ツイッター上で、ブロガーのアカウントに返信を返したところから、
舌戦になり、
売り言葉に買い言葉で、
ブロガーが、再度、カールのレストランを訪れることになるんです。
再対決ですよ。
さあ。
いよいよカールの渾身の料理が出されるかと思いきや、
ここでもやっぱりオーナーが反対。
今度はオーナーとの喧嘩によって、カールが店を追い出されちゃう。
なんてこと。
カールがいなくなった結果、なんと、ブロガーの前には、
前回とまったく同じメニューがならぶ。
でここからですよ。
ブロガーが、カールは勝負から逃げ出した、とツイートしたのをみて、
カールの怒りは頂点に。
怒髪天を衝く。
で、前フリが長かったけど、ここからがぼくの一番好きなシーン。
カールはレストランに駆け込み、ブロガーの目の前にあるフォンダンショコラを目の前で握りつぶしてみせる。
「てめえは、このフォンダンショコラを生焼けのチョコレートだ、といったけどな、
ガナッシュの周りを生地で包んでパリッと焼いてんだよ、クソが!」
もう怒りが収まらない。
でね。
ついでに、隣りに座っているお客さんのテーブルの上にある、
フォンダンショコラも握りつぶしてみせる。笑
ほら、もっとちゃんと中身を見てみろと。
ここで毎回、ぼくは笑ってしまう。笑
何も、無関係のお客さんのまで、、、
でね。
カールは言うんです。
「あんな記事書かれたら、誰だって傷つく。」
「あれのせいで、店がつぶれたらどうするんだ。」
「厨房のみんなは頑張って料理を作ってるんだ。それなのにおまえは。。。」
って。
これね、聞いてて、涙が出てきちゃうんです。
まずね。
傷ついた、ってことを、潔く、認めているんですね。カールは。
それが、とてもカッコいいと思ったんです。
人に傷つけられたときってね、相手を批難する言葉ばかりでてきちゃうじゃないですか。
「おまえは」おかしいとか、
「おまえは」狂ってるとか、
「おまえは」間違ってるとかね。
いわゆる、youメッセージってやつですね。
相手を下げることで、自分を守ろうとする防衛本能だと思うんですけどね。
でも、ここでカールが伝えているのは、
「私は」傷ついたっていう、Iメッセージなんです。
自分の気持ち、感情をストレートに吐露してる。
傷ついた、って言葉は、自分の弱さ、脆さを伝える表現で、
人の前でそれを言うのって、すごく抵抗があるはずなんです。
少なくともぼくは言いにくい。どこか恥ずかしい。
でもカールは、全力で、俺は傷ついた、ってことを主張するわけです。
それがとても清々しいんです。
よく言った!って賞賛したくなる。
それにね。
カールは、自分のことだけじゃなく、
レストランのこと、一生懸命、料理を作っているスタッフのことを思って怒ってる。
それも、とてもカッコいいと思った。
ぼくなら、こういうリーダーについていきたいと思った。
熱くて、仕事に誠実で、部下思いのリーダー。
うん、本当に名シーンですね、ここ。最高。
とここまでね。
なんか、ワンシーンを長く書きすぎて、
もうネタバレもネタバレで自分でも少し引いているところもありますが、
それでもなお、やっぱり面白いので、映画をみてみてほしいのです。
まだ続きます。
この映画に、マーティンっていう、カールの右腕みたいな人が出てくる。
もう最高です。
ぼくは大好きです。
陽気で、ただいるだけで、周りを明るい気分にさせてくれる。
そんな人にわたしもなりたい。本当に。
ああ、語りつくせない。
この映画に関しては、何本も記事ができることができるでしょう。
しがみたおしますよ、わたしは。
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