大好きな映画。海街diary。

海街diary。

ぼくがこれまでに観てきた映画に順位をつけるとする。
間違いなく10番以内に入ってきます。
そのくらい、ぼくはこの作品が大好きなのです。
好きすぎて、何度も見返しちゃう。

まずね、出演する女優陣の豪華さよ。
鎌倉での四姉妹の共同生活の話なんですけどね。
まずどーん、長女、綾瀬はるか。
次女、長澤まさみ。
三女、夏帆。
そして、山形から鎌倉に引っ越してくる、
腹違いの四女が広瀬すず。

すごくないですか。
この面々。
いまや超有名になってしまった広瀬すずちゃんですけど、
当時はまだ無名。
ぼくが初めて映画をみたとき、
もちろん残りの3人は知ってるけど、
彼女のことは知らなくて。
ただ、すごい存在感を放っていたんです。
映画を見終わったあと、
「あの子はだれだ?」ってすぐ調べましたもんね。
やっぱり、すずちゃんは、これが出世作になりましたねえ。(遠い目)

とまあ、こんな素晴らしい4人の女優が出演しているとなっては、
それだけで観たくなるじゃないですか。
ねえ。とりわけ世の男性諸兄。
ぼくなんかは、特に長澤まさみの大ファンだし、
それに海街diaryの原作の漫画が素晴らしいっていうことは
噂に聞いていたんでね、
映画が上映開始されるや、すぐに観に行きましたよ。
もうね、4人の女優さんがそれはそれは美しくてね。
観てるだけで、眼も幸せ。心も幸せ。
しかも、ストーリーもほのぼのと胸がじーんとあったかくなるストーリーでね、
それにまた、描かれる風景もきれいなんですよ。
田舎の青々とした林の茂み。
駅員がいないような小さな駅舎。
鎌倉の海岸。
潮の匂い。
古風な日本家屋。
扇風機。
そして夏の緑とセミの声。
どれも美しくてね。
登場する人は誰もがあたたかいし、
見終わったあとに、ああ、いい映画をみたな、って思うこと、
間違いなし。

と、それはさておき。

まず1つ。
長澤まさみ先輩が素晴らしいです。
つい最近も、三谷幸喜監督の映画『スオミの話をしよう』の主演を務めるってことで
テレビ番組に出ているのをみて、
そこでもやっぱり見とれちゃうくらい綺麗だったんですけどね。
この映画にうつる彼女は、その役どころもあいまって、
なおさら、もう数段美しく見えるんですよね。素敵。
この4姉妹のなかで、次女らしく、といっていいのか分からないけど、
一番、独立心が旺盛で、自由を感じさせる女性で。
のびのびしてる。元気ハツラツ。
変な男に捕まって失敗もするけど、
そこがまた人間味があって、なおさら魅力が惹き立つ、惹き立つ。
お姉ちゃんの綾瀬はるかのことを、いじったり、
そこから口げんかになったりするのも、もう可愛らしくてしょうがないです。
しかもね、映画の冒頭にね、
長澤まさみが男の家から帰るシーンが
あるんですけどね。
そこで彼女の下着姿が見られる。
これ、本当に度肝抜かれた。
声出そうになった。
エロさよりも美しさを感じちゃう。
ほっそーーい、長い脚。
これまた、ほそく締まったお腹。
見とれちゃうような身体ですよ、本当に。
どんな食生活とトレーニングをしたら、
あんなカラダを作れるのか教えてほしい。
こちとら、週3でジムにかよい、1日1800kcalの食事制限をしても、
全然、体脂肪落ちないんですけど。
え?もって生まれたものですって?

でね。
次、広瀬すずちゃんのことについて。
鎌倉で生活する三姉妹のところに
山形から、すずちゃんがやってくる。
でね、すずちゃんが、なぜわざわざ実家を捨てて、
鎌倉にやってきたか。
これは実家に居場所がないからなんですね。
三姉妹とすずちゃんは、お父さんが同じだけど、
異母の姉妹。
で、その共通のお父さんが亡くなる。
すずちゃんのお母さんも実はすでに亡くなっていて、
すずちゃんは、父の再婚相手、いわゆる継母と同居しているんです。
で、この継母がポンコツなんですね。
愛情を注いでくれない。
血がつながってないからなのかは分からないけど、
実に頼りない母親で、大人がやるべきことを、すずちゃんに押し付けてくる。
で、すずちゃんは、子供ながらに大人を生きないといけなくなる。
これ、まさに愛着障害になるプロセスそのもの。
もうフラグ立ってます。

ここのところ、自分自身と重ね合わせてしまってね。
親からのネグレクト、愛情の不足。
大人がやるべきことの、子供への押し付け。
ぼくもそうだったんですけど、
その結果、やっぱり、すずちゃんは感情が凍り付いたようになってるんです。
過度に社会に適応してしまっている、というかね。
自分の感情は出さない。
人には迷惑をかけちゃいけない。
わがままを言っちゃいけない。
自分がガマンすればぜんぶ丸く収まるとかね。
そういうふうに、自分を抑えつけて生きているんです。
子供らしい無邪気がない、というより奪われてる。

そこに、手を差し出したのが、長女の綾瀬はるかなんです。
彼女は、すずちゃんをみたとき、その生きづらさ、苦しさを一瞬で察する。
そして、鎌倉に来ることを提案し、
四姉妹での共同生活が始まるわけです。

ここからね。
三姉妹にたくさんの愛情を注がれてね、
すずちゃんがだんだんと心を開いていくんだ。
ぼくは、もう涙が出ちゃうんだ。
あーよかった、っていう安堵でね。
すずちゃんは気付いていくんです。
あ、自分の気持ちを打ち明けてもいいんだ。
イヤなことはイヤって言ってもいいんだ。
人ってあったかいんだ。
そういうことに。
まさに、愛着障害を回復していく。
三姉妹からのたくさんのたくさんの愛情でね。

よかったなあ、って思っちゃう。
こうやって、愛情を注いでくれる人がいてくれて。

これ、あるワンシーン。
すずちゃんがね、お風呂あがりにね、
扇風機の前でバスタオルを開いて、
「あーーー、涼しいいいーーーー」
っていうシーンがあるんですけどね。
それをみた綾瀬はるかがね。
こら!行儀が悪い!って怒るシーンがあるんです。
で、そのあとね、すずちゃんが、テヘっていって、
逃げてくんですけどね、
ここ、とても好きなシーンで。

大人のしきたり、ルールに過剰適応してきた彼女が、
行儀の悪いことをできるっていうのも成長なんですよね。
子供らしさを取り戻してる。

それに、愛情をもって人に叱られる、
っていうのもこれまでになかった経験のはずなんです。
そんな存在ができたのもよかったねって、ぼくなんかは親のように思っちゃう。

何より、それを笑って受け流せること。
これね、めちゃくちゃハードルの高いことだと思うんです。
これって、自分が失敗しても、相手が自分のことを愛してくれる、ってわかってるからこそ、
できることで。
そうじゃなかったら、受け流せないんです。
やばいことやっちゃった、って顔が真っ青になって、
謝りたおさないといけない。

こういうところにね、
すずちゃんの愛着障害の回復をみるんです。
三姉妹が無償の愛を注いでくれる。
失敗しても、ワガママをいっても、
自分を愛してくれるのは変わらない。
それを信じることができるから、
安心して自分でいられる。
安心して子供として生きることができる。

ああ、よかったって思うんです。
これができない人も、
つまり、無償の愛を一生受けることができずに、
低い自己評価に苦しみ、
人の目を気にして汲々と生きる人もいる。
でも、すずちゃんは違った。
三姉妹の愛情が彼女を蘇生させた。
凍り付いた心を溶かして生き返らせた。
本当にそう思うんです。
感動しちゃうよ、もう。

で、最後にもう一つ、名シーンを。

すっかり活き活きとして、小学校での生活にも馴染み、
地元のサッカーチ―ムでも活躍するようになったすずちゃん。

サッカーチームがいきつけにしている食堂のおばちゃんがいてね。
吹雪ジュンさんなんですけど。

吹雪ジュンさんは、子供がいないんです。
でね、実の両親をどちらも亡くしているすずちゃんに言うんです。

「あなたのお母さんが羨ましいわ。
だって、あなたみたいな宝物を残すことができたんだから。」

そうなんです。
愛着障害を回復した、すずちゃんは、
よく笑い、いつも元気で、皆の人気者で。
集団にいても、それはそれは燦然と輝く存在で。

吹雪ジュンさんの言葉はね、
自分も子供を残したかったっていう悔しさ、
羨ましさの表明であるとともに、
すずちゃんの人間性、輝きに対する
もうこれ以上ないほどの賛辞だと思うんです。

愛着障害からの回復。蘇生。
そして表出する本来の自分と、
人間性の輝き。

ここでもやっぱり、ぼくは自分と重ねてしまう。

愛着障害を回復しつつある自分。
ぼくもまた、自分の個性を、
人間らしさを爆発させて生きていきたいと思うんです。

まだできるはずなんだ、ぼくは。
まだ我慢してる。
人に気を遣ってる。

すずちゃんのように、人の賛辞なんか受けなくてもいい。

ただ、自分のいいところも悪いところもさらけ出して、
ほんとうの自分で、人を信じて生きていきたい。
すずちゃんと同じく、ぼくもまた愛着障害のサバイバーとしてね。
そう思うんです。

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