箱根を旅行してきたぞ。

人の旅行記はつまらない。
基本的には、そう思っている。
むろん、エッセイストとか、物書きの方々のは別にして、
一般人が旅行して、そこで何を感じたかを文章にしたとて、
大した感想などでてこないし、
鋭い視点で読者をあっと言わせることなどできないのである。

当然、ぼくが書いてもそうである。
そうであるのだが、それでも書くのである。旅行記を。

以前にね、熱海は行ったことがあるんですよ。
パートナーと一緒にね。
で、それが楽しくて、とてもよい思い出になっている。

遊覧船に乗って、デッキにでて、
カモメにエサをあげてみたり。
浜辺を散歩してみたり。
お店が軒を連ねるエリアをぶらぶらと歩いて、
美味しそうなものを食べ歩きしてみたり。
きわめつけは、宿泊したホテルが超絶によかった。
時期がよかったのか、1泊2万くらいで朝夕つき。
広ーい、モダンな部屋で、
部屋の一隅に、なんの仕切りもなくバスタブが設置。
なんともクールでセクシーで、胸の高鳴りを抑えられない部屋だったのです。
また、タクシーの運転手やら、レトロな射的場のおばちゃんやら、
個性の強い、コミカルな方々との触れ合いをとおし、
我々は、笑いの止まらぬ、なんとも楽しい時間を過ごしたのでした。

それはそれは楽しかった。

てわけで、熱海が楽しかったのなら、
それと同列に語られることの多い箱根も、
旅行したら楽しいのではないか、という話になり。

そして、行ってきたのです。

今回の箱根旅行で、一番よかったのは、
やっぱり奮発した旅館ですねえ。
朝夕付きで宿泊したんですけど、
さすがに高いだけあり、とにかく、ごはんが美味しかった。
エビ、カニ、刺身、ブタ角煮。。。
もう、なんでもござれの、大御馳走。
久しぶりに、あんなにたらふく食べた。
浴衣の帯が苦しくなり、緩めざるを得ない。
なんという贅沢。
なんという愉悦。

そうそう、書きながら思い出したんですけどね。
初日の夜の晩御飯で、魚を食べたときにね、
その骨が喉に刺さったんですよ。

これ、経験ある方いますか?

ぼくは、初めてで。
もう、ずっと、喉の奥に違和感。
物を飲み込むときに痛みが走る。
で、つばをのんだり、
水をのんだり、うがいしたり、
はたまた、ごはんを口に含んで飲み込んでみても、
ぜんぜん、それが取れない。
これね、すっごい不快なんですよ。
当たり前ですけどね。

肩に銃弾が埋まってたら、取りたいじゃないですか。
胸に刀が刺さっていたら、抜きたいじゃないですか。

それと同じで、やっぱり、喉に魚の骨が刺さってるのって、
イヤなんですよ。
なんとしても抜きたい。
しかも、そんなの放っておいたら、喉に炎症とか起こって、
化膿して、、、とかなったらイヤじゃないですか。
でも、骨をとろうとしてもとれない。

この時点で、もう気分は超ブルーなんですよ。
2泊3日の初日の夜にして、テンションだだ下がる。
もう気分など失せてくる。
なんて不幸なんだ、ぼくは、ともはや気分は悲劇のヒロイン。

でね。
これは病院にいって抜いてもらわないとダメなやつだ、
せっかくの旅行だけど、もうなしにして、
明日、とりあえず救急外来を探そう、ってね、
そう思って、パートナーにも相談したんですよ。

そしたら、
「男ってちょっとしたことで大袈裟だよね。」
っていう冷めた言葉を頂戴しまして。
シュンとしましたよね。

で、ひとまず床に就く。

翌朝。

骨が抜けてる!!!

なんで?
寝て起きたら、骨が抜けてるなんてことあんの?
ぼくの喉で何が起きたの?

分からないことだらけですが、
ひとまず、一件落着。
おおごとにならずに済み、
意気揚々と2日目をスタートさせることができたのでした。
元気はつらつ。

で、2日目はといいますとね、
これまた豪華な朝ごはんをたらふく食べるとね、
もう2人そろって眠くなっちまいまして。
そして朝食後の睡眠を摂取。
起きたときには、お昼の12時。

旅先の時間の使い方じゃねえ。笑

家かよ、ってね。
旅行先だったら、あれやって、これやって、って
現地をもっと楽しむもんだろ、と。
でも、眠かったんだからしかたない。
眠いのを我慢して、外を歩き回るなんて、
苦痛以外の何物でもないんでね。
これはこれでいいんです。

そして、スッキリした頭でようやく、
箱根湯本の駅の周りにある、
お店が並んだエリアをぽくぽくと歩いてみる。

ここがね。
歩道が狭くてね。
観光客もたくさんいるしで、ちょい歩きずらかった。
減点ポイント。
あと、そんなにお店も多くない。
熱海の方が、もっといろいろな店がたくさんあったな。
つい比較しちゃう。

そして、見つけた、ガラスアートの体験教室。
こりゃおもしろそうだってんで、早速、申し込み。
自分たちでデザインを決めて、ガラスの飾り、破片をタイルの上に並べていく。
後日、焼きあがったものを送付してくれるという段取り。
で、デザインを考えたんですけど、
「ちいかわ」にしようってことにしたんですよ。
かわいいし。
で、ここがミスったとこなんですけど、
キャラクターが1体だとなんだか寂しいからってんで、
3体をデザインすることにしたんですわ。
そしたら、もう時間がかかる、かかる。
軽はずみに始めたものの1時間経過時点で、
ぜんぜん完成が見えず、
15時に開始したんですけど、
店員さんに閉店の17時までには完成するよう催促される始末。
途中でやめようにも、やめちゃったら、
タイルの左半分だけ、ちいかわがひょっこり微笑んでいる、
っていうアシンメトリーなお粗末なものになっちゃうから、
やめようにもやめられず。
もう、ままよ、ってことで、全力で、ガラスを並べていく。
もう無言で黙々と並べつづけ、
で、なんとか、形にしましたよ。
最後はもうヤケクソです。
体験教室って、本当は和気あいあいと楽しみながらやるもんなんですけどね。
なんとか完成させて、2人の口から出た言葉は、
「なんだか疲れたね。」
はたして、焼き上がりがどんなふうになってるのか、
10日後が楽しみでござる。

とまあ、そんなこんなありまして、、、

で、箱根の弱点をもう一つ、みつけた。

それはね、箱根湯本っていう箱根の玄関口に宿をとる人が多いと
思うんですけど、
そこから、芦ノ湖とか美術館とかの観光地へいくのに、
割と電車のったり、バスのったりで、時間がかかるんですね。
便数もそんなに多くなく、それが、ちょっと不便だと思った。
だから、そっちの強羅(ごうら)の方へ行く場合は、
我々のように朝食後に寝る、とかそんな呑気なことしていないで、
朝から計画的に行動しないといけない。まあ、そりゃそうか。
まあ、ぼくらの場合は、いい旅館で美味しいもの食べて温泉入れたので、
それで満足なんですけどね。

とまあ、書くことにも疲れてきたので、
ここいらで。

ともあれ、充実した三連休を過ごすことができたので、
わたしはとてもハッピーです。

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