本屋さんが好きで、よくいくんです。
で、やっぱり自分が愛着障害に苦しんできたから、
精神医学とか、心理療法の棚にふと目がいってしまう。
するとさ、
HSPさんのための、、、とか、
自己肯定感をあげるには、、、とか、
落ち込んだ気持ちを和らげるための、、、とか、
そういう本がたくさん、たくさん売られている。
精神医学、心理療法というよりは、
もっとライトな内容で、
こういう考え方はよくないから気を付けるといいよ、
とか、もっとこういうふうに考えてみよう、
とか、心の状態をよくするための、
すぐに行動にうつせるような解決策が書かれてる。
でね。
そういうのを見るたびに、ぼくが思うのはね、
著者は、こんな本を読んだくらいで、「本当に」心の状態がよくなると思ってんのか?
ってことなんですよ。
もっと言ってしまうと、
君たちは、
心が落ち込みやすい人たちに向かって、
気休めの言葉を投げかけて、
それで金儲けしようとしてないかい?
ってこと。
っていうのもね、
ぼく自身がね、
昔、こういう類の本を貪り読んだんですよ。
愛着障害で、
自己評価なんて低いも低い、地に落ちるようで、
人のちょっとした言葉に傷ついて、
何日も落ち込んでいたし、
周りの人の目線も怖いし、
対人恐怖状態になっていて。
人と一緒にいると緊張がとまらなくて、
呼吸しづらいようにも感じたし、
生きるのに必死だった。
それで、この状態をなんとかしたいと思いつつ、
当時は社会人でもなかったし、お金もなかったから、
カウンセリングを受けることもできず、
解決方法を本にもとめた。
中古で買ったり、図書館で借りたり、
そうやって、本当にたくさんの本を読んできたけど、、、
結果としてはね、
一時的に気分はよくなっても、結局はもとどおりだった。
ここで断っておきたいのは、
ぼくは、精神医学、とか心理療法とかの、
すべての本を否定しているわけじゃないんです。
例えば、デビッド・D・バーンズ「いやな気分よ、さようなら。」なんて、
自分の思考のクセを理解するのにめちゃくちゃに役立ったし、
今でも読み返すことがある。
この本なんて、
読者に、うつを改善するツールを提供しようという気概を文面からひしひしと感じるし、
うつになりやすい人の思考のクセの分類化とか、治療法の考案とか、
これらを1冊にまとめあげるまでに費やした膨大な時間と労力を考えると、
著者に対し、リスペクトの念が湧いてくる。
そう、こういう本はよい。
ぼくが問題にしているのは、
もっとライトに、軽い気持ちで(ぼくにはそう見える)本を書いている人たちで、
かれらの本からは、
読者を「本気で」治そうとか、
読者の精神状態を「本気で」よくしようとか、
そういう切実さ、気概をまったく感じない。
著者は主に、
精神科医とか、
心理療法士とか、
当事者とかなんだけど、
ねえ、筆者さん。
メンタルが弱っている人を対象に本を書いているけど、
あなた自身は、そこまで弱ったことがあるの?
あなた自身も、精神科にかかったり、カウンセリングを受けないとどうしようもない状態になったりしたことがあるの?
本を書いたというステータスを得るためとか、
お金儲けのために書いてない??
心が弱っている人が、どんな思いでその本を手にとるか分かってる?
苦しくて苦しくて毎日を生きることにも精一杯な人が、
藁にもすがる思いでつかんだその本が、
本当にただの藁だったなんて笑えないよな。
そういう目の前で苦しんでる人に対して、
あなたの本が役に立つ、って、
本当に胸を張って言えるの??
筆者は言うかもしれない。
そこまで重篤な読者は対象にしていないって。
だったら、本の一番最初に書いてよ。
今、苦しくてしょうがない人は、
この本を読む前に精神科なり、カウンセリングなりで、
客観的なアドバイスをもらってくださいと。
こんな本を読む前に、適切な行動をとってくださいと。
それが、誠実ってもんじゃない?
メンタルが落ち込みやすい人に、
適当なアドバイスを書き連ねて金儲けしようとすんなよ。
お願いだから。
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