現在、大企業に勤めている、20代~30代のあなた。
こんな気持ちになったことはありませんか。
「なんだか入社前に思っていたのと違うなあ。。」
「結婚して家を買って終わり、っていう人生はむなしいなぁ。。」
「会社を辞めたいと考える自分は、変なのかなあ。。。」
実は私も、入社して3~4年を過ぎたころから、
まったく同じ気持ちを抱いていたんです。
でも、こうした漠然とした悩みって、
大企業に勤めているからこそ、
なかなか周囲の人には受け入れられないんですよね。
周囲からすれば、
・一般の企業と比較して高給である
・有給休暇もちゃんと取得できる
・福利厚生も整っている
・世間体もよい
そんな好条件の職場を辞める必要なんかないでしょ?
というわけです。
例えば、会社の同僚に相談すれば、こんな返事が返ってきそうです。
会社の同僚
「せっかく大企業に入社できたんだし、次は結婚。
その次には家を買うよ。
会社を辞めるなんて考えたこともないよ!
だって、クビになる可能性は少ないし、会社が倒産することもほぼないんだよ?
残りの人生は、目の前に与えられた仕事をこなしながら、
家族と幸せに過ごす。それで十分でしょ。」
母親ならこんな返事が返ってくるでしょう。
母親
「せっかく大企業に入社できたのに、辞めちゃうなんてもったいないわ!
今いる場所で、あなたのやりたいことは実現できないのかしら。
「置かれた場所で咲きなさい」(渡辺和子著)っていう本も流行ってたわよ。
会社を辞めたりしたら、近所の人になんて説明したらいいか、分からないわ。。
」
ここに書いたとおり、「大企業に入ってしまえば安泰」と考えている人たちには、
あなたの悩みはなかなか理解されないんです。
だからこそ、大企業の退職を考え始めた人って、
苦しいんですよね。
その思いを、誰にも吐き出すことができないから。
仮に、吐き出せたとしても、あなたの気持ちに
心から共感してもらうことがとても難しいから。
分かります。
私も本当に苦しくて、
息苦しくなるほど窮屈な思いを感じていました。
この記事はこんな内容です。
・私が会社に対して感じていた違和感。
ー 歩みたいと思うキャリアパスが存在しない
ー 定年を過ぎたら切り捨てられる
ー 働く(生きる)場所を選べない
・何を考え、会社を辞めることに決めたのか。
・30代から大学に入りなおす決断と、そのときの心の葛藤
・大学生になった現在の心境
あなたがこの記事に共感できる部分を見つけてくれたら、、、
また、この記事が、現在のあなたの悩みを解決するためのヒントになれば、、
私はとても嬉しいです。
なお、当時の私のステータスはこんな感じです。
大企業に勤める。 エンジニア。 30代前半。 関西都心部の近郊在住。 仕事は及第点をコンスタントに叩き出せる感じ。 上司からの評価はよかった。
それではいきます。
会社に対して感じていた違和感
歩みたいと思うキャリアパスが存在しない。
会社に3年くらい勤めると、
自分が出世していった場合と出世しなかった場合の2つの
キャリアパスがみえてきますよね。
私は、両方の将来を思い描いてみたとき、
そのどちらにも全く魅力を感じませんでした。
出世するコース
出世すれば、一般社員からやがて管理職になります。
この出世するコースに私が魅力を感じない理由ですが、
単純にいってしまえば、管理職の業務内容そのものが全く楽しくなさそうだからです。
管理職の仕事は、つきつめていうと、
人やお金、プロジェクトの管理がメインだと思っています。
例えばこんなことです。
・処理しなければいけない仕事を、チームのメンバーに割り振る。
・あるプロジェクトにお金が不足していれば、お金を管理する部門からお金をとってくる。
・うまく回っていないプロジェクトがあれば、サポートメンバーを連れてくる。
私は、エンジニアとしての仕事は楽しく感じていましたが、
こうした、人やお金を管理するという業務に全く興味をもてなかったんですよね。。。
はい、分かってるんです。
聞く人によっては、この意見がとても未熟に聞こえることも。
おそらく、実際に管理職とよばれる職についている方であっても、
「この仕事が楽しい!」と思っている人は少数派なのだろうと思います。
皆さん、会社のため、家族のため、または自分のため、など、
何らかのモチベーションを見つけて、がんばっているんだろうと思います。
でも、私の場合、仕事そのものにやりがいや楽しさが見出せないなら、
その仕事をがんばることが出来ないし、やりたくないと思ってしまうんです。
それに、大企業などの大きな組織の中で管理職を担うのが
いかに大変なことかも、目にしてきちゃってるんですよね。
例えば、こんなことです。
・家族よりも会社のことを優先して、深夜まで残業する。
・自分がミスをしなくとも、自分の部下がミスをすれば、
その責任をとって出世の道が断たれる。
そうです、いくら自分の生活を犠牲にして会社に尽くしたとしても、
最後は運ゲーなんです。
これ、納得できますか?
私は、この「自分の人生を自分でコントロールできない感じ」が
とても嫌だったんです。
以上をまとめると、管理職の仕事自体に興味をもてないこと、
そして最後は運ゲーであること。
これらによって、私は出世することに魅力を感じなくなりました。
さあ、次にいきます。
出世しないコース
出世しなければ、一般社員にとどまり、年下の後輩が上にあがっていくのを見届けることになります。
私は、後輩が自分の上司になるのが、なんとなく嫌でした。
これはもう単純にプライドですね。笑
外資系の会社ならいざしらず、
年功序列の日系会社で後輩を上司にもつのは、
とても自分のプライドが傷つくだろうなあと思ったんです。
それに、後輩からすれば年上の部下って扱いづらいだろうと思うし、
気を遣われながら仕事をするのも嫌だったんですよね。。
そんなわけで私は、出世するのも嫌だし、出世しないのも嫌だ、
という袋小路に入り込んでしまったのでした。。
定年を過ぎたら切り捨てられる
「一生懸命にがんばっていれば、それを見てくれている人が必ずいる。
だから、その努力はきっと報われる。」
私は、これまでの人生経験で、そう信じてきました。
だから、以下のようなものを努力して高くしておけば、
定年を過ぎても会社は報いてくれるはず、
と期待していたんです。
・専門的スキル
・コミュニケーション能力
・人事評価
・など
でも、この考えが、とても甘いものだと知ることになりました。
私はある人と一緒に仕事をしました。
その方はすでに定年が近かったのですが、
私からみて、「うわぁ。。」と息を飲むほど、
仕事能力の高い人でした。
経歴もすばらしい。
物腰もとてもやわらかい。
外国語にも堪能。
管理職の経験もある。
まるで、会社員として期待される能力をすべてもっているように
感じたんです。
やがて、その方が定年を迎える日がきました。
そして、その日をきっかけに、
年収が新入社員と同じレベルまで下がったんです。
1000万弱くらい下がったのではなかろうか。。
私は、その方へ同情の念を抱きました。
それと同時に、会社はとても非情なところだと感じたんです。
一人の人間がどれだけ人生をかけて貢献してきたとしても、
会社は、定年というルールにしたがい、一律に社員を切り捨てる。
そう感じました。
であれば、自分はどうなる?
自分が定年になったとき、
その尊敬する方よりも優れている点が自分にあるとは思えない。
であれば考えられる答えは一つ。
会社は、20代から60近くまで私を働かせるだけ働かせ、
定年になったら、さようなら。。。
私は、この紋切型の会社のシステムにとても不満を感じるんです。
ただ、一方でこんな意見もありそうです。
・60近くまできちんと雇用を保障してくれるなら十分じゃないか!
・定年を迎えたあとも、雇ってくれるだけいいじゃないか!
・定年を過ぎたら、老後はゆっくり過ごせばいいじゃないか!
これらは確かに一般的には正しいのかもしれないんですが、
私の望む生き方ではなかったんですよね。
私は、情熱をもてる、やりがいのある仕事であれば、
定年など関係なく、死ぬまで仕事をしていたい。
それに、収入も、専門的なスキルも、ひいてはコミュニケーション能力だって、
死ぬまで右肩上がりであってほしい。
そんな私にとって、定年がきたら切り捨てられる、と分かっている会社で働く
ことは、ガケに向かって走る汽車のなかで薪(まき)をくべるようなものでした。
私は、そんな無益なことをしたくないし、そもそもガケのない道、つまり
定年などに縛られない人生を進んでいきたいと思ったんです。
働く(生きる)場所を選べない。
あなたは、自分が働く場所にこだわりはありませんか?
実家に近い方がよい。
なるべく都会がよい。
なるべく地方がよい。
子育てのしやすいところがよい。
海外がよい。
・・・
働く場所、って、生きる場所、と同じ意味になると
思うのですが、私は1つだけこだわりがあります。
都会よりも地方で生きていきたいんです。
これは、自分が田舎で育ったせいもあると思います。
街中のにぎやかな場所だと、あまり気持ちが落ち着かないですし、
都会に住むと、こんな苦労もあることが分かってきました。
・いざ家族をもち、戸建ての家やマンションを買おうとすると、
とても高い。
・子供を私立学校に通わせる家庭も多く、
受験料や授業料が高い。
地方で育ち、学校は公立が当たり前だった私からすると、
都会で暮らすのはなんというムズゲーだ。。。、
と思ってしまうわけです。
懸命にはたらいて稼いだお金が、
生活するだけですべて出て行ってしまうような、
そんな気持ちになるんですよね。。。
結婚して家を買ったら、それで終わり、というような。。。
であれば、自分自身が田舎の方が好きなこともあるし、
地方で仕事をしたい、と思うわけです。
たまたま最初に配属されただけの、自分の好みではない都会で
一生を過ごす必要はないでしょう?ね?ね?
とそう思うわけです。
で。
実際に都心部の近郊で働いている私が、
「田舎で生活していきたいから、地方の部署に異動させてください!」
と会社にいったときに、その意見がとおるか。
まず、とおらないんですよね、これが。
えぇ、言い分は分かりますよ。
会社からすれば、社員の個人的な思いを
一人ずつ聞いてあげる余裕はありません。
・社員がもっているスキル
・社員がこれまでにしてきた仕事の内容や経験
・事業計画
・・・
こういったことを考えて、適切に、スピーディーに人を配置していかないと、
会社が上手く機能しませんから。
でも!!!
私にとって、自分が望む場所で生きられない、というのは、
「人生そのものが会社に支配されている」のと同じでした。
それがとてもイヤで苦痛だったし、
やりきれない思いを感じたんです。
そして、会社を辞めることに決めた。
ここまで書くと、こんな声が聞こえてきそうです。
「だったら最初から会社に入らなければよかったじゃないか!」
「ここに書いてあること全部、ネットで調べれば入社前に分かりそうなことじゃないか!」
まったくそのとおりだと思います。笑
私は、とても安易に、入社を決めたと思います。
高校、大学、と決められたレールのうえを走っていたら、そこに会社があった、という感じです。
だから、会社員として働く、ということを真剣に考えずに働き始めたのは事実なんです。
地方で育ったために、家族や親族にも大企業で働いている人はおらず、
大きな組織の中で働く、ということのリアリティを感じにくい環境でもありました。
ともあれ、これまでの話を総括すれば、、、
私は、会社員生活をとおして発見します。
自分が、「大企業」の風土やシステムにマッチしない考え方を
もっていることに。
つまり、以下のようなことです。
・自分が本当にやりがいのもてる仕事、楽しいと感じる仕事だけをしていたい。
・一生涯、死ぬまで、仕事に情熱を燃やしていたい。
・働く場所、すなわち生きる場所を自由に選び取りたい。
それで私は、会社を辞めることにしました。
30代独身。仕事をしながら、大学入学のための勉強を開始
それで、今までの人生経験や学んできたことを活かすことができて、
自分が本当に情熱をもてる別の仕事を探し始めたんです。
そして、見つけたんです。
私は大学に入りなおし、専門職になろうと決めました。
専門職であれば、ある程度、自分でキャリアを選択できるし、
場合によっては定年なく働くこともできると思ったからです。
ここから、仕事をしながら、大学入学のための勉強をする日々がスタートします。
私はこの時点ですでに30歳を超えていました。
心の中からはこんな声が聞こえてきます。
「もうこの年齢だし、人生を変えるには遅すぎる。」
「周りは結婚して子供もいて幸せそうにしてる。自分一人だけ何してるんだ。」
「大企業にいて、クビになったり、倒産したりする可能性も少ないんだから、
無理する必要ないだろ。」
「大企業にいるくせに、自分のやりたいことを仕事にしたい、って、なんてゼイタクな悩みなんだ。」
「環境に順応していくのが大人ってもんだろ。今いる場所で、楽しい生き方を
探せよ。」
でも。
それでも私は、どうしても自分の人生を諦めきれなかったんです。
自分の理想とする人生を歩める可能性がほんの少しでもあるのなら、
その可能性にかけてみたかった。
自分が死ぬときに、あのときこうしていれば、、
っていう後悔だけは絶対にしたくなかった。
そんなわけで私は、
「仕事をしつつ勉強を継続できるだろうか」という大きな不安と、
「自分の人生を変えたい」という真剣な願いを、
胸にごちゃごちゃに抱えながら勉強を開始しました。
まとめ:大学生になった現在
そして、私は大学生になりました。
合格通知をみたときは、嬉しさのあまり、涙がとまりませんでした。
これまでの自分の葛藤。
仕事をしながら、孤独な勉強を1年以上継続してきた苦労。
すべてが報われた気がしました。
そして、自分の人生の扉が、一気に開かれたように感じました。
今、私はとても伸び伸びとした、晴れやかな気持ちでいます。
高校、大学、会社、という一直線の人生のレールから外れることはとても怖いことだったけれど、
いざ外れてみると、もう周りの人と同じでなくてもいいんだ、という、開き直るような、自由な気持ちを感じています。
今は、自分の人生が、会社のものでなく、ちゃんと自分のものだと思えます。
私は、この手元に返ってきた大切な自分の人生を存分に楽しみ、
自分が思う、理想の人生を生ききってやろう、と心に誓っています。
[参考]人生を考えるにあたり、何度も熟読した図書
「人生漂流」(稲泉連 著)
「青春漂流」(立花孝 著)
これらの本に出てくる若者の全員が、心に葛藤をかかえ、もがいています。
それだけ、人生を「真剣に」生きています。
私は、登場人物の生きる姿勢や考え方、言葉に何度もうなづき、何度も心を打たれ、励まされました。
現在、人生に悩みをかかえ、戦っている人にとっては、きっと何かの参考になると思うので、ご紹介しておきます。
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